前回は齲蝕(むし歯)の成り立ちについてお話ししました。
今回はむし歯の治療についてお話しさせて頂きます。
むし歯の治療についてですが、むし歯の深さによって治療方法が変わってきます。
むし歯の深さの分類についてお伝えしながら、それぞれの場合の治療についてご説明していきましょう。
むし歯の初期状態である「C0」では、表面が若干脱灰(酸で歯が溶けている事を指す)白濁している程度です。
この状態では削って治療するか、まだ削らず「再石灰化」(唾液の作用により、溶け出したカルシウムやリン酸を再び歯の表面にて結晶化し脱灰を修復する働き)を期待して様子をみるか、症例によって判断が分かれるところです。
むし歯が歯の表層の「エナメル質」に限局している状態を「C1」といいます。
「エナメル質」は、歯冠部(歯茎から出ている、歯の頭の部分)表面を覆う非常に硬くて丈夫ですが薄い組織です。
これより内部にはエナメル質より強度は落ちますが厚みのある「象牙質」という組織があり、ここまでむし歯が到達している状態を「C2」といいます。
ここまでの深さのむし歯はいわゆる「削って詰め物を詰める」という方法で対処できます。
詰め物の種類は色々ありますが、保険診療の範囲において今日主に用いられるのは「レジン」「金属」の2種類かと思います。
「レジン」はプラスチックの一種でありますが、近年では技術の進歩によりレジン自体の強度や歯への接着力が上がると共に適応範囲が広くなってきました。
歯に近い自然な色調に仕上がり、金属の場合よりも歯を削る量を少なくできる場合がありますので、当院ではレジンを用いて治療を行う場合が多いです。
「金属」で詰める場合、今日の保険診療で主に使われるのは「金銀パラジウム合金」という銀色の合金です。
「レジン」と比べるとどうしても審美性で劣りますが、破折のしにくさに加え口腔外で調整できるという利点があり、根強く使われています。
また、保険外の自費治療では「ハイブリッドセラミック」というレジンとセラミックの中間のような性質を持つ素材で詰め物を制作する事もできます。
近年では少なくなりましたが、金(Gold)を使った詰め物が選択される場合もあるかもしれません。
象牙質より内部には「歯髄」、いわゆる歯の神経があります。
ここまでむし歯が到達すると治療は一気に大変になってしまいます。
前回のコラム「むし歯(齲蝕)の成り立ちについて」でもご説明した通り、むし歯の部分にはむし歯の原因となる細菌が存在します。
歯髄までむし歯が到達すると、このむし歯の原因菌が歯髄内に感染してしまいます。
そうなるとむし歯の部分を削って詰めても、細菌が内部に感染してしまっておりますので事態は解決されません。
治療する為には感染した歯髄を除去し、歯髄腔(歯の神経が入っていた空洞)が完全に消毒されるまで器具で清掃したり消毒薬を封入したりしなくてはなりません。
歯髄腔内が十分に消毒されましたら充填剤で歯髄腔を満たします。
その後は咬めるようにする為の処置に移ってゆきます。
削れている部分が狭い範囲であれば詰め物を詰める処置で済む場合もありますが、大きく欠損している場合は土台(コア)を立てて被せもの(クラウン)を入れる、俗にいう「差し歯」と呼ばれる形になります。
詰め物を詰める場合の治療については「C2」までの深さのむし歯を治療する場合と同じ方法で行う事ができます。
被せものになる場合については、また後日別のコラムにてご説明させて下さい。
さらにむし歯が進み、非常に弱った歯根(歯の根)だけになった状態を「C4」といいます。
この状態になると抜歯せざるを得なくなってしまいます(歯が根の部分だけになっていても、ある程度強度があれば抜歯せずに済む場合もあります)。
歯を抜いてそのままにしておくと「しっかり咬む事ができない」「隣在歯(隣の歯)が動いてしまう」「対合歯(咬み合う歯)が伸びてしまう」などの問題が起きる場合が多く、その場合はなんらかの方法で歯が無くなった部分に歯を入れていかなくてはなりません。
この場合についても後日のコラムに寄稿させて頂きたいと思います。
以上、むし歯の治療についてご説明させて頂きましたが、当然のことながらむし歯が進めば進むほど治療が大変になってしまいます。
基本的にはむし歯は自然には治りませんし徐々に進んでいく性質がありますので、早期発見・早期治療をするに越したことはありません。
このコラムの最初の方で「再石灰化」についてもご説明しましたが、これで修復されるのは非常に微細なむし歯のみであり明らかに黒色化して欠損しているような進行したむし歯を治せるようなものではありません。
なるべくお早めの治療をおすすめします。
もし気になるような歯がおありなようでしたら、どうぞご都合のよろしい時に当院のご予約をお取り頂ければと思います。
何卒宜しくお願いします。
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