今回は治療についてのお話しをしたいと思います。
まずは歯科領域における代表的な疾患のひとつである「むし歯」の成り立ちについてお話しさせて頂きます。
「むし歯」は歯科用語では「齲蝕」と呼びます。
「齲蝕」は、主にストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)等の菌が排出した酸によって歯が溶かされた状態を指します。
これらの菌は生まれた時から口腔内に存在する訳ではなく、感染者の唾液等から感染する事で口腔内に定着します。
齲蝕の成り立ちについて具体的にご説明しましょう。
歯の表面に唾液中や歯肉溝浸出液中の糖タンパクが静電気作用等で付着し、「ペリクル」という0.1~1μmの非常に薄い膜が作られます。
この「ペリクル」は歯の表面を保護する作用がある半面、細菌の付着を誘導してしまう作用もあります。
「ペリクル」にStreptococcus oralis等の初期定着菌が付着し、それらが生成する菌体外多糖体に他の菌が付着しプラークを形成します。
ここに前述したStreptococcus mutansやStreptococcus sobrinusのような齲蝕原因菌が付着し、ショ糖(砂糖の主成分)から強い粘着性を持つ「不溶性グルカン」を生成して病原性の高いプラーク(バイオフィルム)が形成されます。
このバイオフィルムには様々な病原性を持つ細菌郡を含まれているだけでなく、抗菌薬や殺菌・消毒薬等の薬剤の菌への到達を妨げる作用があります。
齲蝕原因菌はショ糖(スクロース)・ブドウ糖(グルコース)・果糖(フルクトース)等の糖類から乳酸等の酸を生成し、その酸によってphが約5.5以下になると歯を溶かし(脱灰)、齲蝕を生じさせます。
これが齲蝕の成り立ちになります。
プラーク内部では飲食から摂取する糖類だけでなく不溶性グルカンを代謝し酸を産生し続けており、齲蝕を拡大していきます。
成熟したバイオフィルムから一部の細菌は遊離し、唾液を介して口腔内外に伝播し、さらなる感染を引き起こしていきます。
心血管疾患や糖尿病など、様々な疾患に影響を与える可能性があると言われています。
こうしてみると難しい話しになりますので、簡略化してお話ししましょう。
人間は食べ物から得た栄養に余剰分があった場合、体脂肪として蓄えますね。
菌は身体の外に蓄えるようなイメージ(菌体外多糖体)かと思います。
この菌体外多糖体は、菌にとって「エネルギー源になる」「歯の表面に付着するのに役立つ」だけでなく「消毒薬等の薬剤が菌に到達しにくくなる」という、一石二鳥ならぬ一石三鳥の効果があるのです。
細菌および細菌が産生する菌体外多糖体が固相表面に形成した集合体をバイオフィルムといいます。
身近なところでは、キッチンのシンクのぬめりもバイオフィルムです。
前述したようにバイオフィルムは薬剤の菌への到達を妨げますが、清掃用スポンジ等でこすれば簡単に破壊・除去できてしまいます。
機械的に除去するのは容易なのですね。
つまり、むし歯や歯周病を予防する為には、まずは歯ブラシでしっかり歯を磨く事が大切だという事になります。
歯磨きでバイオフィルムを破壊した後であれば、歯磨き粉や含嗽薬(うがい薬)に含まれる殺菌成分が効果を発揮しやすくなります。
また、むし歯の予防については以前掲載したコラム「歯磨剤(歯磨き粉)・含嗽剤(うがい薬)について」にも記載したように、フッ素入りの歯磨き粉の使用も有効かと思われます。
【関連記事】歯磨剤(歯磨き粉)・含嗽剤(うがい薬)について(左の題名をクリックして下さい。)
やはり、むし歯や歯周病を防ぐには毎日の歯磨きが重要であると言えますね。
ただ、磨き残しが全く無いというのは現実には難しく、どうしても歯垢(プラーク)・歯石が付いてきてしまう事が多いかと思います。
できるだけ定期的に歯科医院にかかって頂いて、検診や歯の清掃をされる事をおすすめします。
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